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〜組織に重要なポータブルスキルとは〜

ちょっとした豆知識
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以前の記事でポータブルスキルについて少し触れて書かせて頂きました。

今回は、より詳しくポータブルスキルについて説明したいと思っています。

近年、従業員に求めるスキルとして「ポータブルスキル」が話題です。

業務に関する専門知識や経験は実務的な面においても組織成長の重要な要素ですが、

それと同じくポータブルスキルは、

人材育成や人材配置に大きく影響を与えると言われています。

ポータブルスキルの構成要素や、

良く似た言葉である対人スキル・対自己スキル・対課題スキルの詳細や

向上させる研修方法やメリットについて説明します。

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ポータブルスキルとは?

ポータブルスキルは、個人が持っているスキル全般を指します。

例えば、性格・人柄・コミュニケーション能力・専門知識などの個人スキル全般です。

どんな環境でも活かせる事ができるスキルです。

  • 論理的思考力
  • プレゼンスキル
  • コミュニケーション能力
  • 問題解決能力
  • 交渉力

ポータブルスキルの意味や求められる背景を解説します。

ポータブルスキルの意味

ポータブルスキルを日本語に訳すと、

portable(持ち運びできる)skill(能力)を意味します。

厚生労働省によると、ポータブルスキルとは業種や職種が変わっても通用する

「持ち運び可能な能力」と定義されています。

ポータブルスキルとは、実務経験や資格のように明確な基準がなく、

業種・役職・職種・部署と幅広い層に汎用できるスキルです。

アンポータルスキルとは

ポータブルスキルとは逆に、「持ち運びできない」スキルの事です。

特定の会社や業種・職種でしか活用できない知識やスキルの事です。

日常業務をこなす上で、アンポータルスキルを身に着ける事は重要ですが、

自信の中長期的キャリアを考えいくうえでは、それだけで不十分です。

なるべく若いうちに身に着けよう

ポータブルスキルは、なるべく若手社員の段階から意識して獲得するのがオススメです。

その能力が活かせる期間が長くなり、投資効果が大きいからです。

ポータブルスキルと似た言葉

「トランスファラブルスキル(transferable skill)」があります。

持ち運びができる能力という意味ではポータブルスキルと同じですが、

社会人経験の有無で使い方が異なります。

ポータブルスキルは社会人経験がある人に対してのスキルです。

トランスファラブルスキルは社会人経験がない人に対してのスキルです。

トランスファラブルスキルは「対課題スキル」「対人スキル」「対自己スキル」

の3つが構成要素として挙げられます。

なぜポータブルスキルが必要なのか?

かつては年功序列や終身雇用制度を取り入れる企業が一般的でした。

しかし近年、新型コロナウイルス感染症による

経済的ダメージや雇用法の改正などにより、

従来と同じ雇用を維持するのが難しくなりました。

大手求人メディアによると、25~39歳の正社員として就業する人の約50%が

転職経験ありと言われており、雇用の流動化は高いといえます。

特定の1つの企業や部署を、生涯勤め上げるのは非常に難しいため、

どんな業種・職種・社会情勢でもあっても柔軟に通用できるスキルが望ましいです。

また、企業側にとってもポータブルスキルをもった従業員は必要な存在です。

先述したように、雇用の流動性が高い今、

従業員がいきなり退職し、健全な運営ができない状態も起こる事もあります。

企業側は突然の欠員が発生しても、

今ある人材やリソースを活用し対応しなければなりません。

ポータブルスキルを持った従業員なら、

新しく配置する部署でも柔軟に対応し成果を上げてくれるます。

社会情勢や経営状態による急な配置転換が起きても、

幅広く活躍できる人材が求められます。

業種や職種などが変わっても、通用できるスキル全般がポータブルスキルです。

ポータブルスキルが必要とされる理由

誰もが「転職力」を磨く必要がある時代になりました。

終身雇用や年功序列などといった従来の制度がなくなりつつある一方で、

会社の平均寿命の短命化が進んでいます。

企業の寿命と労働寿命については以前の記事に載せてますので、

気になる方は下記にアクセスしてください。

さらに現代は、テクノロジーの急激な進化によって、

業界の概念を覆すサービスの登場や、

根本的なビジネスモデルの転換が次々と起こっています。

想定していなかった企業と戦わなければならなくなったり、

これまでは「安泰」とされていた大企業が経営危機に陥ったりと、

将来の予測が困難になっています。

もはや「安全地帯」と言えるような業界や企業はなく、

突然のキャリアショックにあう可能性はすべてのビジネスパーソンにあります。

そうなると、実際に転職を希望する人だけでなく、

誰もが”もしも”に備えて市場価値を高め、「転職力」を磨いておく必要があります。

ポータブルスキルを磨いておくと、どこでも活躍できる可能性が高いです。

ポータブルスキルを身に着けていると、特定の分野のみならず、

様々な分野で活躍できる可能性が高まります。

キャリアの選択肢を広げるうえでも要となるスキルです。

また、転職活動する際には、面接官に「この人はポータブルスキルが高いから、

この会社でも活躍してくれそう」「成果を出すのに再現性がありそう」

と判断してもらうことができたら、間違いなく評価につながります。

専門技術・知識

専門技術・知識とは、業務を遂行するために必要な技術・知識を指します。

特定の業界や職種のみに適応が可能であり、

活用できる場面はポータブルスキルの中でも最も限定的なスキルです。

別名、テクニカルスキルとも呼ばれます。

かつての労働市場では専門技術・知識を特に重要視されており、

今でも実務をこなす上で重要な基礎的スキルと言えます。

専門性が高いスキルによっては組織に付加価値を提供できる為

高いニーズがあります。

仕事の仕方

厚生労働省によると、成果をあげるために重要な行動に

「課題を明らかにする」「計画を立てる」「実行する」の3つの要素が挙げています。

「仕事の仕方」とは、業界や職種に関わらず仕事を行う上で必要な能力です。

計画性・柔軟性・課題発見の能力が高い人は、

専門技術・知識をつける事で業種・業界が変わっても幅広く活躍できます。

人との関わり方

人との関わり方とは「社内対応(上司・経営層)」「社外対応(顧客・パートナー)」

「部下マネジメント(評価や指導)」の3つの要素を挙げています。

社内・社外、役職に関係なく円滑に

コミュニケーションが取れるかどうかがポイントです。

近年では業務のオンライン化が進み、人との直接的な関わりが希薄化しています。

部下・上司とのコミュニケーション方法や連携ミスに悩む方も珍しくないです。

ニューノーマル時代の今だからこそ、

社内外問わず相手と柔軟な姿勢で対応するコミュニケーション能力が必要不可欠です。

人との関わり方のスキルが高い人は、

部署・チームと良好な関係性を築きながら業務を円滑に進めます。

ポータブルスキルのメリット

ポータブルスキルに着目した人事施策・採用活動は、

どのようなメリットがあるのでしょうか?

得られるメリットを具体的に解説します。

採用力が向上する

ポータブルスキルに着目した採用活動は、質の高い応募者を選別できます。

かつては専門技術・知識を重視した採用傾向がありましたが、

徐々に人柄やコミュニケーション能力、

計画性や柔軟性と言ったポータブルスキルが注目されています。

専門技術・知識が充分にあり、過去に素晴らしい実績を残した人材であっても、

自社で活躍できるとは限らないからです。

例えば経験や知識が豊富な人材であっても、

応募意欲が低い・経営方針に反発的な考えを持っていては、

入社後の成長や貢献度が低くなります。

その一方で、専門知識・知識が不足していても、

課題発見能力・行動力や自社への志望意欲が高い人材は、採用後の活躍が期待できます。

採用活動には、組織が求める経験や知識や資格・学歴のほかに、

個人が持つコミュニケーション能力や考え方などのポータブルスキルも

採用条件に入れると尚良いです。

精度が高い採用基準の構築により、ミスマッチや離職防止に効果が期待できます。

人材育成・能力開発

ポータブルスキルは効率的な人材育成・能力開発ができます。

従業員のポータブルスキルが分かれば、

1人1人に合わせた育成計画が立てやすくなるからです。

さらに従業員が自身のポータブルスキルを向上すれば、

自身の能力開発や業務の効率化を意識するきっかけになり、

今までより高い目標へ挑戦する意欲もでます。

人員配置の適材適所

ポータブルスキルの活用は、人材の最適配置に役立ちます。

業務に対する業績結果は評価する上で重要なポイントです。

しかしポータブルスキルを評価項目に追加し活用すれば、

業績だけでは測れない従業員個人の能力を把握できます。

とくにポータブルスキルは、どの業界・職種でも通用できるスキルなので

人事異動を考える際の参考材料となります。

専門技術・知識のほかに人柄や考え方など、多様な評価基準により

適材適所な人員配置ができます。

ポータブルスキルを向上させる体制

ポータブルスキルの向上に役立つ研修や学ぶのに最適な人事施策や体制を紹介します。

全ての世代でキャリアチェンジを成功させるために、

業種・業界や職種を超えた共通のスキルを活かす研修方法です。

厚生労働省のホームページでは、ポータブルスキル研修用のテキストを公開しています。

テキストはダウンロードできる形式のため、

社内研修や自己学習にも活用できます。

厚生労働省ホームページ下記リンク

ポータブルスキル向けの外部研修を活用

ポータブルスキルの研修サービスを行う民間企業があります。

従業員自らが研修施設に行く・外部講師を社内に招いて講義をしてもらう等、

研修サービスの方法は様々です。

民間企業によっては、基本のビジネスマナー・ロジカルシンキング・

コミュニケーション能力・セルフコントロールの向上など、幅広い研修項目があります。

新入社員からベテラン社員まで、

従業員の役職やスキルに合わせた育成に役立てることができます。

民間企業ポータブルスキル研修Schooさんのホームページ下記リンク

目標管理と評価制度を整備する

従業員のポータブルスキル向上のために、目標管理と評価制度の整備をします。

「どうすればポータブルスキルを磨けるのか」「評価される具体的な行動」

「業務上に求められる考え方」について、経営方針に従い上司と決定します。

そうすれば、従業員が自分のポータブルスキル向上に必要な行動や考え方などを

明確にすることができます。

定期的に目標達成の進捗状況、目標内容や誰が管理しているのかを確認してください。

ポータブルスキルで従業員のスキルを多角的に評価できる

「ポータブルスキル」の意味や構成要素、

メリットや学ぶ方法について説明しました。

ポータブルスキルとは、業種・役職・職種・部署と幅広い層に汎用できるスキルです。

「専門技術・知識」「仕事の仕方」「人との関わり方」の3つが構成要素であり、

どれも組織成長に必要不可欠な要素です。

ポータブルスキルを活用する事で、

採用活動・人材育成・人員配置の効率化も期待できます。

そのためには、従業員が持つポータブルスキルや経験を活かせるよう、

目標管理や評価制度を適切に整備してください。

書籍・本

出典:Pitch ピッチ

スタートアップの成長を支援するプログラムを運営する

『Open Network Lab』が、優れたアイデアを投資家に売り込む為の

フレームワークでアイデアを結晶化し、

人を動かすメソッドについて紹介されている一冊です。

出典:ファシリテーション超技術

ファシリテーションのプロが良い会議を運営する為の基本的な手順とポイントで、

活発な意見を引き出し参加者の納得度が高いアウトプットを

導き出す会議の作り方について紹介されている一冊です。

出典:超★営業思考

売ろうとするのではなく目先の売上を追わずに

まず信頼関係を構築する事の大切さが書かれ、

営業の心得と売れる為の方法について紹介されている一冊です。

出典:勝てるデザイン

選ばれるデザイナーになるのは、良いデザインを作るにはどうすれば良いのかを、

良いデザインが溢れるようになった現在デザイナーが生き残っていく為に

必要な考え方や実践的な技について紹介されている一冊です

出典:世界トップエリートのコミュ力の基本

文章・プレゼン・会話・質問・情報収集の5つをテーマに、

アウトプットとインプットのテクニックをが学べ、

すぐに使える実践的なコツについて紹介されている一冊です。

まとめ

ポータブルスキルは相対比較で決まるため、自社の中にだけにいては、

自分の能力を的確に分析できません。

そのため、しっかりと社内外の同世代の人と比較する癖をつけて、

まずは一体自分の力がどれ位の立ち位置にあるのかを把握しましょう。

足りないと感じたら、若いほど投資対効果が大きいので、

なるべく早めのトレーニングをおすすめします。

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